ジクロロ酢酸

分子式C2H2Cl2O2 / CHCl2COOH
分子量128.9

1995年のIARCの評価では、ジクロロ酢酸はGroup3(ヒト発がん性物質として分類できない)に分類されている(IARC、1995)。平成10の専門員会の評価ではDe Angelo(1996)らの研究に基づいて、肝細胞がん及び肝細胞腺腫の発生率増加を根拠に、肝発がんのNOAELは3.6mg/kg/day。不確実係数は1000(種内差及び種間差に対して100、発がん性の可能性について10)とし、TDIは0.0036mg/kg/dayと算定された。
その後、De Angeloらによって設定用量数を増やして、肝発がん性の用量依存性を解析した報告がなされた(De Angelo et al., 1999)。それによると、雄B6C3F1マウス(用量ごとに46-88匹)に、飲水中のジクロロ酢酸を0, 0.05, 0.5, 1.0, 2.0, 3.5 g/Lの濃度(約0, 8, 84, 168, 315, 429 mg/kg/day)で90-100週間与え、肝細胞癌の増加が1.0g/L以上の群において有意に認められ、その発生率はそれぞれ、71%(168mg/kg群), 95%(315mg/kg群), 100%(429mg/kg群)であった。動物個体ごとの癌の数は全投与群で用量依存的に有意に増加し、その数は0, 8, 84, 168, 315, 429 mg/kg/dayでそれぞれ0.28, 0.68, 1.29, 2.47, 2.90であった。また、肝臓のペルオキシソームの増殖は腫瘍反応とは関係のないと考えられた。この試験においては、肝発がん性に対するNOAELは得られていない。

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