ホルムアルデヒド

分子式HCHO
分子量30.03

毒性評価
皮膚暴露による刺激性あるいはアレルギー性接触皮膚炎が起きたとの報告がある。また、呼吸器系への刺激作用もあり、最近のWHO/EUROでのホルムアルデヒドの再評価では、ヒトの鼻腔粘膜への障害性が報告された平均暴露濃度は0.02~2.4mg/m3(短時間でのピーク値は5~18 mg/m3)で、短期間暴露で鼻やのどに刺激を感じる最低濃度は0.1mg/m3であるとされている (WHO、2000)。IARC(1995)によれば、吸入暴露による鼻咽腔癌や鼻腔の扁平上皮癌との疫学的な関連性に関して、ホルムアルデヒド暴露との因果関係を推定しているが、肯定的な報告と否定的な報告とが両方存在することやコホート研究と患者・対照研究との結果に一貫性がないことより、限定的なものであると結論づけられている。一方、経口摂取した場合の影響に関するデータはない。
一方、動物実験において、Tilら (1989)は雌雄各群70匹のWistarラットに、雄には1.2、15、82 mg/kg/dayを、雌には1.8、21、109 mg/kg/dayのホルムアルデヒドを2年間飲水投与した。雌雄ともに最高用量群にのみ、摂餌、摂水、体重の減少、胃粘膜壁の不規則な肥厚が認められた。病理組織学的に、過角化症と限局性潰瘍を伴う前胃の乳頭状上皮過形成、および潰瘍と腺過形成を伴う腺胃の慢性萎縮性胃炎が観察された。さらに、腎相対重量の増加と腎乳頭壊死の発現増加が認められた。しかし、胃を含め、諸臓器に腫瘍発生は認められなかった。一般毒性に対するNOAELは、雄雌で15および21 mg/kg/dayである。
また、経口投与試験で明らかに発がん性を示した知見はない。ホルムアルデヒドは、蛋白、RNA及び一重鎖DNA誘導DNA-蛋白クロスリンクと容易に結合する。また、一重鎖DNA切断を引き起こす。in vitroの原核および真核生物細胞を用いた変異原性試験、ショウジョウバエを用いた試験で陽性である。しかし、in vivoでのほとんどの試験では陰性の結果が得られている。

 

 

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